終活ノートに役立つルールとアイデア

”大学ノート式”終活ノートのルール

当サイトでおすすめする大学ノート式の終活ノートには、最初に守っておくと後々役立つルールがあります。そのルールやそれに関連したアイデアをご紹介しましょう(奥野宣之著『情報は一冊のノートにまとめなさい』を大いに参考にしています)。

おすすめの終活ノートの作り方
終活ノートの作り方としては大きく、「出来合いのエンディングノートを利用する」「手書きでノートを作る」の2つの方法があります。 出来合いのエンディングノートを利用するメリット・デメリット 出来合いのエンディングノートには市販の書き込み式のもの...

1 ノートを一冊に一元化する

まずは、終活に関する情報(人に関する情報、物に関する情報、エンディングプラン、ライフプラン、マネープラン、その他『楽しみ・健康・お金・備え』に関する情報ならなんでも)をノートにまとめる際は、情報ごとにノートを分類するのではなく、一冊のノートに全て入れていきましょう

気になった情報はとりあえずノートに集約する

この点、ノートをカテゴリーや情報の種類ごとに分けて作成するほうが、機能的で、すっきりと整理されていいと思われるかもしれません。

しかし、ノートを何冊にも分けて作るとなると、複数のカテゴリーに渡る情報などは「どのノートに入れようか?」と思い悩んでしまい、分類に無駄な時間がかかります

また、あとでノートに記載された情報を調べるときに、並行して何冊ものノートに当たることになり、検索に多大な手間がかかります(もしものとき、あなたの遺族が、あなたが残した何冊にも分類されたバラバラのノートから、「あるかないかわからない情報」をしらみ潰しに探す手間を想像してみてください)。

さらに、同時に何冊ものノートを扱わなければならないため、ノートの作成自体が億劫になるという致命的なデメリットもあります。

これに対してノート一冊方式だと、そもそも分類する必要がありませんから、何ら思い悩むことなく、思いつくままに即座にノートに入れていくことができます。

また、一冊のノートにすべての情報が入っており、「順を追って探せば必ずそこにある」ため、検索に漏れがなくなります。つまり「あるかないかわからない情報」を検索するのに手間はかかりません

さらに、手元に置くノートは常に一冊ですから、ノートの作成が億劫になることはまずありません。

2 ノートは前から順番に使う

次に、終活情報をノートに書いていく際は、ノートの前から順番に使いましょう

その際、必ずノートに記入した年月日を記載します(時系列で記載していくので、西暦や元号は節目だけでもかまいません)。

というのは、書かれた情報がいつの時点のものかを明確にしておくことは、自分自身でノートを見返すとき、また第三者が将来あなたの残した情報を検索するときに非常に大事になってくるからです。

ノートの日付が新しいものほど最新の情報、あなたの直近の意思を表していますから、第三者は新しい日付の情報をより優先することになるでしょう。

ちなみに、一定のテーマ(例えば「預貯金について」等々)に関してノートを書くときは、見開きをワンテーマに使うのがおすすめです。B5サイズの大学ノートなら見開きB4サイズを大きく使うわけです。

その場合、まず最初にテーマのタイトルを目立つようにサインペンなどで大きめに書きましょう。

これに対して、新聞や雑誌、ネットの終活関連記事、手書きメモなどをノートに貼り付ける場合は、前から順番に詰めていけばよいでしょう(日付の記入は忘れずに)。

終活に関する新聞記事。じっくり読み込んでラインを引くなどして活用する。

ノートを前から順に使っていくと、いつかは最後のページに到達します。このときは、新しい大学ノートに終活ノートを代替わりさせます。その際、ノートの前後関係がわかるように、表紙にノートが書かれた期間を記入しておきます。

代替わりした筆者の終活ノート

3 第三者に参照してほしい情報はインデックス化する

終活ノートには「あなた自身が活用するための終活情報」と「第三者に残しておきたい終活情報」の2種類の情報が入ります。

このうち、「あなた自身が活用するための終活情報」としては、人生の振り返りや棚卸しをし、今後の人生の指針を確認するための情報(本サイトの「ライフプラン」や「マネープラン」に挙げられている項目)がこれにあたるでしょう。

ライフプラン
「ライフプラン」の記事一覧です。
マネープラン
「マネープラン」の記事一覧です。

その他にも、例えばあなたの「楽しみ」として収集した趣味の情報だとか、雑誌で見かけた「健康」に関する記事の切り抜きだとか、ネットで知った「お金」に関する最新ニュースだとか、新聞で読んだ「備え」に関する相続関連記事なども、あなた自身が活用するため終活情報にあたります。

健康に関する雑誌の記事

一方、「第三者に残しておきたい情報」としては、人や財産に関する情報を整理したもの、もしものときに備えた情報(本サイトの「人に関すること」「物に関すること」「エンディングプラン」「ライフプラン(の一部)」に挙げられている項目)がこれにあたるでしょう。

人に関すること
「人に関すること」の記事一覧です。
物に関すること
「物に関すること」の記事一覧です。
エンディングプラン
「エンディングプラン」の記事一覧です。

この「第三者に残しておきたい情報」については、後々、第三者がノートを容易に検索することができるように、手掛かりを残しておきます。

具体的には「小口にマーク」を入れて、「最終ページに目次を作る」のがおすすめです。

あとで第三者に参照して欲しいページには小口にマークを入れておく
最終ページに小口マークに対応した目次を作っておく

これをしておけば、終活ノートが何冊にも代替わりしたとしても、第三者は直近のノートから遡って、最終ページの目次に従って検索していくだけで、知るべきすべての情報に素早くアクセスすることができるのです。

4 第三者に見られることを前提として作成する

終活ノートはあなた自身が活用するためのものであると同時に、もしものときに、家族などにあなたの意思を伝えるためのノートでもあります。

そこがプライベートな日記と決定的に異なる点です。

したがって、ノートを作成するときは「第三者に見られる」ということを常に意識して作成することが必要です。

例えば、一部の子供だけを贔屓するするような言葉、誰かを攻撃するような言葉など、後々残された人々にあなたへの不信感や、争いの種を残すような情報を残すことは避けましょう。

他にも、例えばあなたが老後の楽しみとして趣味の情報をノートに整理するとします。どんな趣味を持つのも自由ではありますが、それが後々家族に知られてもよいものかどうか?そこは慎重に見極める必要があるでしょう。

旅行が趣味の場合、旅行先でもらったパンフやチケットなどを貼っておくと思い出が伝わる